menu

器のお手入れ

木の器

自然の無垢の木を、鑿や轆轤の刃で削って器にしています。
それに植物油と蜜蝋をブレンドしたものを塗って仕上げているのですが、
この仕上げをオイルフィニッシュといいます。
オイルフィニッシュのよさは、木そのままの素材感が生き生きとでること。
他の方法では、このナチュラルな素材感は生まれません。
木に水が付くと、少し色が濃くなります。これを濡れ色といいますが、オイルを塗るとこの濡れ色に仕上がります。
無塗装というのも、乾いた感じがあっていいと思いますが、汚れが付きやすく、
オイルを塗布した方が取り扱いは楽になりますし、オイルによって木目も浮き出て、落ち着いた感じになります。
素材によって、あるいは同じ桜の木であっても、元々の性質の違いや、生育した地域や場所によるその環境の違いが そのままでますから、木の色合い、硬さや密度などもさまざまです。その違いは仕上がりにも影響し、
使いはじめてすぐに艶を増すものもあれば、何度かオイルを塗って育てていかなければならない器もあります。
人の肌もカサカサしたらクリームを塗って手入れすることが必要ですが、木肌もそれと全く同じ。
カサついてきたら、油分を与えて下さい。乾燥しすぎると肌がひび割れてくるのと同じように、木も割れやすくなります。
乾燥肌といいますが、木にも同じようにカサカサなりやすいものもあり、そうでないものもあります。
合板のように均質ではないですから、木肌を見ながら、乾いてきたな、と思ったらキッチンペーパーに植物油を落として、
たっぷりと乾いた肌に塗ってあげてください。そうすれば、使いはじめの時とはまた違う、
時間が経過した木の魅力的な色合いがそこに表れることと思います。
その使い込んだ後の表情が、木の最も美しい色合いですから、それを楽しみながら木の器を育てていただけたら、
それは制作者の喜びでもあります。

椅子も、家の床も、そして木の器も、木の魅力は使い込んではじめて生まれるものと思います。
毎日座っている木の椅子の肘掛けの艶。飴色になった木の取手。木のものはよく使うことが一番で、
ちょっとその過程で、ただ汚れた、という段階もあるかもしれませんが、
そこを越えると、きっとよくなっていくと思いますので、長く、使っていただきたいと思います。

木の器にはお手入れがいります。それは化繊の布より、ウールやシルクの布の方が、少し手間を必要とする、
その違いと同じように思います。合板などより手入れや、気をつけることは少し多いかもしれませんが、
その分自然の風合いや、着心地のよさなど、別の贈りものがそこにはあります。
手をかけないですむことも価値ですが、付き合うことで生まれてくる価値もあります。
木に限らず、自然との付き合いには、どこか人の側が手間をかけて関わる、ということが必要なのだと思います。

お手入れについて、漆にもオイルを塗る必要がありますか、という質問を受けることがあります。
言葉が足りなくていけないのだと思いますが、お手入れが必要、というのは無垢の木の器に限ってのことで、
漆にはオイルを塗る必要はありません。漆は、お椀と同じように、洗った後は、乾いたふきんで水気を拭いて、
乾かしていただければそれだけで大丈夫です。

オイル仕上げの、自然な木肌を、楽しんでいただけたら、嬉しいと思います。

黒い器

黒い器は、植物染料と自然酢+鉄を使ったお歯黒染めで木地を染めています。
その後、漆の樹液そのままの生漆を使って拭き漆仕上げをしてあります。 お取り扱いは漆器の場合と同じ方法です。
食事の後、洗い桶など、水中に長く浸け置くことはしないでください。器は柔らかなスポンジに洗剤をつけ、
ぬるま湯で洗ってください。洗浄後は布巾で水気を拭き取り、よく乾燥させてからお仕舞いください。
また漆はその性質上直射日光には弱いのでご注意ください。

使い続けていただくうちに次第に漆の艶も落ち着いてきて、さらにマットな肌合いになっていきます。

バターケース

山桜の厚い板を刳り抜いて作られたバターケースです。

木のお手入れ方法は時々油分を擦り込んでいただくことです。その点バターは使うほどに適度の油分を木肌に与えてくれるので、木とはとても相性のいい食品といえます。
銀紙包装を取り外して、直接容器内にバターを入れてご使用下さい。
ただ外側の面は時々ティッシュペーパーなどで油拭きしてください。

ご使用後は、薄めた洗剤をスポンジにつけ、ぬるま湯でお洗い下さい。
洗浄後はすぐに布巾で水分を拭き取ってよく乾燥させてください。
水中につけ置いたり、あるいは直射日光が当たるなど、極度に湿、乾燥させると、狂いや割れの原因になりますのでご注意下さい。

お使いいただくうちに表面がカサカサして気になるときは、#320ぐらいのサンドペーパーをかけてから、 植物油を拭き込んでください。
本品は冷蔵庫内という極度に乾燥する条件に合わせてプレポリマーという木の組織に深く浸透して固まる塗料で仕上げてあります。
これは学校給食用の木の器に使われたりしている食用の塗料です。

木は使い込むほどに美しい色艶と味わいを深めてゆく素材です。木の経年変化を愉しみながらご使用下さい。
Japanese / English