三谷龍二

三谷龍二 展覧会スケジュール

11月24日(月・祝)→ 12月6日(土)
「生活工芸と茶」工芸青花 青花室
「生活工芸」を代表する3作家による6度目の展観。今回の主題は「茶」です。
 あくまでも食器文化であり、茶道具とは距離をとってきたはずの生活工芸が「茶」──ただし中国茶──と接近しはじめたのは2010年代に入ってから。中国、台湾の茶人たちが、彼らの作を茶器として見立てづかいをはじめてからです。その後、彼地の注文にこたえて茶器をつくりはじめるのですが、そこには、たとえば茶の湯の茶碗と飯碗をへだてる「茶味」のようななにかがあるのか、それとも、それがないからこその「生活工芸」なのか──といったことを、考えてみたいと思いました。
 安藤さん、辻さん、三谷さんの各自が創案、監修し、ほかのふたりと共作した茶箱6組を主に、3人の新作茶道具を展示販売します(茶箱のみ入札制)。また、3人の「茶」との距離、考えを知るための茶会、鼎談もおこないます。そして、生活工芸と中国茶をむすびつけた先駆者のひとり、謝小曼さんによる「生活工芸茶会」も開催します。

工芸青花HPより



【About this Exhibition】
生活工芸と茶

眺めるだけでなく「使う」ことを重視する点で、生活工芸は侘茶から深く影響を受けているように思います。飾られたままの道具と、人が実際に手に取って使うときの道具とでは、表情がまったく異なります。その時眠りから覚めたように、生き生きとした世界が立ち上がる。そしてその時のなにげない人の仕草さえ美しく、今この瞬間に生まれる一期一会の時間が愛おしく感じられます。
喫茶をお茶に限定しなければ、現代においてコーヒーは最も日常的に親しまれている飲み物といえるでしょう。日本人はこれまで海外の文化を咀嚼し、独自に洗練させてきました。コーヒーの焙煎家が、客の前で一杯ずつ淹れる「コーヒー手前」と呼びたくなるような会も行われており、これもまた新たな喫茶文化といえるのではないでしょうか。私自身は、ものごとを極めるよりもその中間に身を置きたい性分なので、より日常的な営みのなかで喫茶を楽しみ、道具のことを考えていきたいと思っています。

三谷 龍二



会期:2025年11⽉24⽇(月・祝)− 12⽉6⽇(土)
   ※11⽉24⽇・25日は青花会員限定(予約制)
休廊:11月30日(日)
時間:12時 - 18時
会場:青花室
   東京都新宿区矢来町71 新潮社倉庫内(神楽坂)
出品:安藤雅信(陶芸家)/辻和美(ガラス作家)/
   三谷龍二(木工家)
協力:謝小曼/秦志伸


【入場予約】
⚪︎ 11月24日(月・祝)
- https://store.kogei-seika.jp/products/gallery-seika-202511_1
⚪︎ 11月25日(火)
- https://store.kogei-seika.jp/products/gallery-seika-202511_2

⚪︎ 生活工芸茶会1|安藤雅信+辻和美+三谷龍二
- https://store.kogei-seika.jp/products/sawa-202511_1
日時:A:11月23日(日)13時半-15時半
   B:11月23日(日)17時-19時
会場:青花室

⚪︎ 鼎談|安藤雅信+辻和美+三谷龍二
 「生活工芸」と茶
- https://store.kogei-seika.jp/products/lecture-kogei-88
日時:11月24日(月祝)18時半-20時半
会場:青花室

⚪︎ 生活工芸茶会2|謝小曼
- https://store.kogei-seika.jp/products/sawa-202511_2
日時:C:11月24日(月祝)11時-13時
    D:11月24日(月祝)14時半-16時半
    E:11月25日(火)14時-16時
会場:青花室



- 青花室
東京都新宿区矢来町71 新潮社倉庫内(神楽坂)

11月12日(水)→ 23日(月)
「岸辺を離れて」gallery ON THE HILL
【About this Exhibition】
「岸辺を離れて」

気がつけばずいぶん⻑く、器づくりという岸辺に⾝をおいてきました。
⼈々が⽣きて活動する、その⽣活⾵景が好きだから、それに関わるようなことをしていきたい、と思いながら暮らしの道具を作ってきました。

しかし、今回の会場はどちらかというと平⾯作品が似合う空間ということもあり、普段の器の展覧会とは違う、これまで向こう岸の景⾊として眺めてきた「絵画」や「デザイン」をご覧いただく機会にしようかと思いました。つまり馴染んだ岸辺を離れて、船を漕ぎ出してみたというわけなのです。会場では器と共に、ブリキ絵と⽊の椅⼦を展⽰します。

ブリキ絵は、19世紀のメキシコで⽣まれた素朴なイコン画を、⼼に置きながら描いたものです。
かつてそれは、教会に奉納されたり、家庭の祭壇に飾られたりと、暮らしのなかで信仰と共にありました。

⽊の椅⼦は、⽇々の⾷卓で使うためのアームチェアで、座⾯を張り地とし、⻑く座っても疲れない、⽣活のための椅⼦を⽬指したプロダクトです。

器、椅⼦、ブリキ絵。ジャンルは異なりますが、本来はどれも、暮らしに近いところにあるものです。

それにしても、対岸で過ごした時間は新鮮で、楽しいものでした。

三谷 龍二



会期:2025年11⽉12⽇(⽔)− 11⽉ 23⽇(⽇)
   ※作家在廊⽇:11⽉12⽇(⽔)
開場時間:12:00−19:00(初⽇12:00-14:00は予約制 / 最終⽇11:00−17:00)
⼊場料:無料
会場:代官⼭ヒルサイドテラス・ヒルサイドフォーラム、gallery ON THE HILL

※⽊の器はすべて抽選販売とさせていただきます。
※初⽇11⽉12⽇(⽔)12時から14時までのご⼊場は、予約制となります。
⼊場予約は、10⽉15⽇(⽔)12時(正午)より gallery ON THE HILL の公式ウェブサイトにて受付を開始します。
※11⽉12⽇(⽔)14時以降の⼊場は予約不要ですが、混雑に応じて整理券による⼊場制限を⾏う場合がございます。 あらかじめご了承ください。


【トークイベント】
⽊⼯家 三⾕⿓⼆の創造⼒に迫るトークイベントを開催。本展「岸辺を離れて」に込めた思いを語ります。聞き⼿には、デザイナー・皆川明さん(ミナペルホネン)を迎え、ものづくりの背景や、⽣活と表現のあいだに広がる豊かな対話をお届けします。皆さまのご参加を⼼よりお待ち申し上げております。

⽇時:2025年11⽉12⽇(⽔)19:00−20:00
出演:三⾕⿓⼆(⽊⼯家)、皆川明(デザイナー)
会場:代官⼭ヒルサイドテラス・ヒルサイドフォーラム
参加費:1500円(税込)
定員:60名 (申込制)
予約:https://galleryonthehill20251112.peatix.com/
(10⽉15⽇(⽔)12時(正午)より販売開始)



【関連イベント 三⾕BAR @KUCHIBUE】
KUCHIBUE(クチブエ)は、料理家 坂⽥阿希⼦さんが⼿がける、代官⼭ヒルサイドテラス内のレストランです。このたび、1⽇限りの特別イベントが開催されます。

⽇時:2025年11⽉13⽇(⽊)12:00−20:30(19時ラストオーダー)
場所:KUCHIBUE(東京都渋⾕区猿楽町29-10 ヒルサイドテラスC棟15号)
TEL :03-5422-3028
参加費: ¥5,000(KUCHIBUE おつまみプレート&1ドリンク付き)
※ご予約不要でご利⽤いただけます。お問い合わせは KUCHIBUE までご連絡ください。



- gallery ON THE HILL
〒150-0033
東京都渋⾕区猿楽町18-8
ヒルサイドテラスF棟1F
お問い合わせ:info@galleryonthehill.com

10月18日(土)→ 26日(日)
「Contained Vessels」
Nalata Nalata(New York)
This October, Nalata Nalata presents Contained Vessels, a solo exhibition of wooden containers by Ryuji Mitani. For decades, Mitani has explored how craft can exist not in the realm of the extraordinary but in the flow of ordinary life. His focus is on vessels that may appear modest yet bring rhythm and ease to daily living.

The collection includes urushi lacquered lidded cups made exclusively for Nalata Nalata, a round tiered box reminiscent of the jubako, and containers for tea, coffee, butter, spices, cutlery, toothpicks, stationery and more. Each work reflects Mitani’s belief that craft is more than function. It is a dialogue with the past, an attunement to material, and a response to the everyday rituals that shape the texture of life.

Nalata Nalata HPより



【About this Exhibition】
日々の暮らしの儀式のために——「ふつうの人びと」のための工芸

これまで美物館で取り上げられてきた工芸作品といえば、堂々とした壺、大皿、抹茶碗、螺鈿の漆箱といった、目を見張るような技巧で作られたものや、歴史の重みを背負った品々です。もちろん、それらは称賛され、語り継がれるべきものだと思います。
けれど、ふと自分の暮らしを見回したとき、そうした品々が自分の日常からはとても遠い存在であることに気づきました。工芸と呼ばれながら、実際には使うことのできないものがあまりにも多い——そうした「違和感」を出発点として、私の工芸の方向が定まっていったように思います。
手仕事で作られたものが、もっと日常のそばにあるべきではないか。そう思うようになったのは、工芸のことばかりではなく、きっと僕が昔から「偉人」や「英雄」を主人公にした物語よりも、社会の片隅で懸命に生きる、名もなき人びとに心惹かれてきたからだと思います。
偉業の物語は語り継ぐに値する出来事で満ちています。けれど、受け取る側としての僕は、しばしば取り残されたような、あるいはすでに満たされてしまったような感覚を覚えるのです。その一方で、取るに足らないような、名もない人びとの小さな出来事や物語には、不思議な「現実の重み」があります。この現実の底に流れる「リアル」が、不意に自分自身の実感と結びつく瞬間があるのです。
だから僕は思うようになりました。工芸を通して、そのような「内なる実感」に共鳴するもの——ただの人の人生に、静かに力を添えるようなもの——をつくることはできないだろうか、と。
たとえば、コーヒーのキャニスター。 朝食のテーブルに置かれたバターケース。 どれも目立つものではありません。けれど、そこにあるだけで暮らしにやわらかな秩序が生まれます。そんな道具たちは、一見些細な存在のようでいて、日々をさりげなく支える大切な役割を果たしているのです。
つくるということは、ただ機能を満たすためではありません。先人たちの仕事に耳を傾け、素材の声を聴きとり、いまを生きる誰かの暮らしにそっと応えることです。日常の中に潜む美しさを感じ取り、暮らしの手触りそのものに心を澄ませること。——それこそが、僕の考える工芸の「かたち」なのです。
歴史の中心でもなく、英雄的な舞台の上でもない。
むしろその「周縁」にこそ、見落とされがちな人々の、生き生きとした姿がある。
私はその視点を大切にしながら、日々の小さな儀式を支える器を、これからもつくり続けたいと思っています。


For the rituals of everyday life — craft for “ordinary people”

In museums, the crafts most often celebrated have been grand pieces: imposing jars, large plates, matcha bowls, lacquer boxes inlaid with mother-of-pearl. They astonish with their technique and carry the weight of history. Of course, they deserve to be admired and spoken about.
Yet when I looked around my own life, I realized how far away those objects seemed. So many of them, though called craft, could never truly be used. That sense of something isn’t quite right was what first set me on this path.
I began to think: handmade things should live closer to daily life. Perhaps it’s because I have always been drawn less to stories of great figures and heroes, and more to the quiet lives of ordinary people on the margins.
Stories of the remarkable are full of events worth retelling. But as the listener, I often feel left behind—satiated, as though I’ve had my fill. Meanwhile, the small, almost trivial moments and stories of nameless people carry a strange kind of reality. At unexpected times, they seem to connect directly to my own sense of what is real.
So I began to wonder whether, through craft, I could create something that resonates with that inner sense of reality—something that might quietly lend strength to the lives of ordinary people.
A canister for coffee.
A butter case on the breakfast table.
None of them draw attention, yet their presence alone brings a gentle order to daily life. Such tools may seem insignificant, but by modestly supporting the everyday from the background, they play an important part.
To make is not simply to serve function. It is to listen—to the work of those before us, to the voice of the material, and to respond softly to the life of someone living now. It is to sense the beauty that hides within the everyday, and to attune oneself to the texture of life itself. That, I believe, is the role of craft.
Not at the center of history, nor on the stage of heroic events, but at the edges—there lies a value of life easily overlooked. I want to hold onto that perspective, and continue making vessels that support the small rituals of daily life.


Exhibition Dates:
October 18 – October 26, 2025 (Wednesdays to Sundays)

Opening Reception:
Saturday, October 18, 1:00-5:00PM


- Nalata Nalata
2 Extra Place
New York, NY, 10003







10月4日(土)→ 11月16日(日)
「3 materials 鉄 硝子 木 ―共にあることのかたち」
飛騨産業 遊朴館
グランドオープン記念企画展
グランドオープンを記念して、三谷龍二監修による企画展『3 materials 鉄 硝子 木―共にあることのかたち』を開催します。木の三谷龍二、鉄の金森正起、硝子の小澄正雄。文字通り異なる素材を扱う三人の作家が、共同作業によっていくつかのプロダクトをつくるというユニークな展覧会です。年齢もジャンルも異なる三人の作家が互いの仕事に対する深い信頼のもとに、集い語らい形にしていったひとつの作品は、ものづくりの未来への静かな提言といえるかもしれません。なお、会場ではこれにあわせて、三谷龍二がデザインしたHIDAの新作家具も披露します。

飛騨産業 HPより




【About this Exhibition】
今回は、鉄、硝子、木という三つの素材を扱う作家が、共同でものをつくるという試みでした。きっかけは異素材の組み合わせ、というお題をもらったこと。それで何か一緒に作ったら面白いものができるだろうな、と思えるお二人に声をかけました。
 共同制作で生まれたもの──たとえば、硝子の蓋と木の身を組み合わせた小さなケース。漆の柄に銀の持ち手を付けたステッキ。硝子のウイスキー瓶とグラスを、オークの箱に収めたウイスキーボックスなど──これらも一人の作家だけでは生まれなかった、「取り合わせ」によるものたちでした。異なる性質をもつ素材、異なる工程によるものづくりが共労して、一人では作れないものを作る。誰も完成図を描けないまま、でも委ね合い、応答し合いながら、ボンヤリとしたゴールを目指す。
ちょっと面倒くさい、この作業を通じて、そういえばこのような制作のあり方は、近代以降に定着してきた「創造者=作家」という像とは、ずいぶん異なるものだと感じました。個人の意志によってゼロから何かを生み出す、という従来の作家像とは異なり、素材や他者との関係性のなかに身を置き、互いを信頼しながら、対話するようにしてかたちを見出していく。これは「自己表現的」というより、「応答的」と呼ぶべきものづくりの方法だと思ったのです。

そういえば、日本の文化にはこうした応答的な美意識が古くから息づいてきたことが思い出されます。たとえば連歌。一人の詠者が詠んだ句に、別の誰かが応じ、さらに次の者がまた重ねていく。その都度、前の言葉に耳を澄まし、自分の声を置くことで、全体の流れがかたちづくられていく作り方。あるいは茶道においても、道具や器は個として完結するものではなく、季節や場のしつらえ、客人との関係のなかで取り合わせられ、意味を帯びていく。そこには、応えることの繊細さと、共同性への信頼があるように思います。

こうした「共にある」ことを受け入れるものづくりの態度には、少し引いた場所から見れば、人間中心的な、自己表現としての創造とは異なる、もうひとつの世界の見方、接し方が内包されているように見えてきます。自然や素材を「制御すべき対象」としてではなく、「応答すべき他者」として尊重し、関係を築いていくという態度。それは、地球環境との共生や、分断の深まる世界に向き合うあり方とも、どこかで重なるように感じるのです。

きっとものをつくるとは、自己を語ることではなく、耳を澄まし、この世界に対して、手で何かを差し出すこと。世界の片隅に生きながら、それでも精一杯返答し続けていくこと。それが、僕らにできることなのかもしれません。

三谷龍二



会期:2025年10月4日(土)〜11月16日(日)
   (水曜・第3木曜休館)
開館時間:10−18時
入場料:無料
会場:遊朴館 HIDA GALLERY 2Fギャラリー(岐阜県高山市上一之町26)
主催:飛騨産業株式会社
監修:三谷 龍二
空間デザイン:中村 好文・小泉 誠
展示什器デザイン:陳 瑞憲
特設サイト:https://hidasangyo.com/exhibition/3materials/



【トークセッション】
第1部『3 materials』
13:00〜13:50
木 鉄 硝子、という異なる素材を扱う工芸作家が、共同作業によるものづくりに取り組んだ「3 materials」展。参加した三人の作家によるクロストークです。
登壇者:
三谷 龍二(木工作家)
金森 正起(金工作家)
小澄 正雄(硝子作家)


第2部『遊朴館 HIDA GALLERY という場』
14:00~14:50
グランドオープンを迎えた新生遊朴館。この場を通じて目指すものやその可能性について、改修に携わった建築家・デザイナーとともに語り合います。
登壇者:中村 好文(建築家)
小泉 誠(家具デザイナー)
岡田 贊三(飛騨産業株式会社 代表取締役会長)
ファシリテーター:岡田 明子(飛騨産業株式会社 代表取締役社長)


日時:2025年10月4日(土)
会場:飛騨高山まちの博物館(岐阜県高山市上一之町75)
定員:100名(参加無料・要予約)
予約:https://reserve.peraichi.com/r/b55ceb00よりご予約ください










7月19日(土)→ 8月24日(日)
「生活工芸展2025」gallery yamahon
伊賀のギャラリーやまほんで、恒例になった「生活工芸展」がはじまります。
やまほんの、広く生活工芸を捉え、視野を開いていく作業は、大切なものだと思います。

三谷 龍二



本展は「生活工芸展 2025」と題し、伊賀市内の三会場 --入交家住宅・史跡旧崇広堂・ギャラリーやまほん -- にて、全国で活躍する68名の工芸家による作品の展示・販売を行います。ギャラリーやまほんが主催するこの展覧会も、第8回を迎えることとなりました。作り手の言葉から、作家の思考や感覚に触れ、あらためて工芸の魅力を感じていただく企画展「作り手の言葉」。今年のテーマは「作り手の愛用品 --湯呑」。日々手を動かし、ものづくりに向き合う作り手たちが、自らの暮らしの中で長く使い続けている器と言葉を通して、皆様にとっても生活の中にある美しさを見つめ直す機会となれば幸いです。

gallery yamahon HPより



詳しくはgalley yamahonのHPをご覧ください。
- gallery yamahon
三重県伊賀市丸柱1650
tel:0595-44-1911

5月24日(土)・25日(日)
六九工藝祭 2025
毎年5月、クラフトフェアには全国の作家たちが集い、六九工藝祭には各地のギャラリーが集います。
この企画は、これまで日本の工芸を駆動してきたのは、作る手と、それを選択する眼の両輪であった、という観点から、2012年より開催しているものです。

「不完全」展
24日(土)10:00-18:00
25日(日)10:00-17:00
【出品者】
三谷龍二・猿山修・皆川明・オオヤミノル・山本忠臣・竹俣勇壱・小林和人・前田大作
【会場】
松本アートセンター2F 小スペース

日本人は「満月」ではなく「雲間にかくれた月」に、
「大輪の花」よりも「散りゆく花」の美しさに魅力を感じてきました。
かたちあるものはいつか消える、そのような諦念が心の底に沈んでいて、
だから完全な姿ではなくむしろ儚いもの、
不完全なものへと心寄せてきたのでしょう。
展示されたものは、他人から見たら取るに足らないものかもしれません。
でも、彼らはなぜかそれに心惹かれ、
それぞれがずっと身近に置いてきました。
小さな欠片(不完全)への想いの深さ、
そしてそこから喚起される広い世界をお楽しみいただけたらと思います。

三谷 龍二



トークイベント 「不完全」 
24日(土)18:00-20:00(17:30受付開始)
会場:松本アートセンター2F 大スペース(定員70名)

第一部:朽ちるゆくへ(聞き手/皆川明)
金森正起・尾込真貴子 ・淡嶋健仁 ・三谷龍二

第二部:不完全(聞き手/皆川明)
竹俣勇壱・小林和人・三谷龍二

参加費:¥2,500(税込)
mina perhonen HPのonline storeにてお求めいただけます。


アーティストキュレーション vol.03
「朽ちるゆくへ」 キュレーター:金森正起
出品者:尾込真貴子 淡嶋健仁
会場:旧油三洋裁店 10:00-17:00


4月19日(土)→ 29日(火・祝)
※水曜 定休
「Thin Things Song - うすいものたちの歌
 なにげないひびのために、ふつうでちょうどいいもの」
koota matka(岩手)
(minä perhonen HPより)
うすいというのは、変化の激しい非日常でなく、単調で、薄い日常のこと。
ものと暮らしの繋がりは、縷々として日常に溶けこみながらいつもそこにあるものとして、三谷さんにより表現されています。

本展に並ぶ作品は、無骨で丈夫な民藝的木工に対し、薄くて、軽やかな木工品。
会場では、三谷さんの著書「手の応答 − 生活工芸の作家たち」の中で綴られた一節を作品と併せてご覧いただきます。
ささやかに響きあう想いを感じながら、ゆっくりとした時間をお過ごしください。
会期初日には、三谷さんと皆川 明によるトークイベントを開催いたします。あわせてお楽しみくださいませ。


作品からは “静けさの中にある微かな音” が聴こえてきます。
騒がしさの中ではかき消されてしまうような、手から生まれた小さな鼓動は、
暮らしと向き合う眼差しによって、作品と生活が共鳴することを伝えてくれます。
その佇まいは、暮らしの背筋を伸ばしてくれたり、日々の小さな喜びに気づかせてくれます。
今回の「Thin Things Song - うすいものたちの歌」が、
三谷さんの物づくりと、暮らしへの想いに触れていただく機会となりましたら幸いです。

皆川 明



【About this Exhibition】
薄い音

朝食はパンとコーヒーだけ、と簡単に済ますことが多いのですが、こうした簡素な食事のときにこそ、自分が気に入った、使い慣れた器で食べたいと思います。器はあくまで暮らしを下支えする道具なのですから、目立たず使い心地がよく、飽きのこないものがいいと思うのです。
あるとき「作家の人は、どうして普通のものを作らないのですか」と、いわれたことがありました。雑貨店の方でしたが、その言葉に僕はショックを受けました。お会いして間もなく出た言葉でしたので、普段から思いが募っていたのかもしれません。詳しく伺うことはできなかったのですが、その方は作家の作るものは道具として使いにくい、と常々感じていたのでしょうか。それとも何か余計なことがしてあってそれが気になる、と感じていたのでしょうか。
「普通のもの」がどういうものか、それは人によって違うでしょうが、僕の場合は定規や鈴筆、伝統的な竹籠や箒など、長い間同じかたちと製法で作り続けられた文房具や生活品のことをすぐ思い浮かべます。暮らし回りに「普通に」あり、それがあると落ち着くものです。それを誰が作ったのかはすでに気になりません。使い心地がいいからリピーターが多く、だからこそずっと作り続けられたのでしょう。使う人と作る人がキャッチボールしながら育てたもの、使う人が作ったもの、それが「普通のもの」といえるかも知れません。作家の才能もすばらしいものだと思いますが、多くの人の眼と手に晒され、練られたものは、ものの芯のようなものがそこに残り、魅力的なのです。 ピアニストのグレン・グールドの言葉に「薄い音」というのがありました。専門的なことはわかりませんが、グールドは一音一音異常なくらい切って情感を抑制し、音で作られた構造物のような演奏をします。でもそのピアノを聞いていると、しんとした静かな気持ちになります。感情のようなもので引っ張っていく音楽ではないのですが、抑制が利いたタッチで淡々と音を連ねていく、張りつめた緊張感があり、音の宇宙のような世界に僕たちを引き込んでくれるのです。
ものを作るとき、僕はこの「薄い音」のことを思い出します。
自己表現として作品に気持ちを込めるという方法ではなく、自分を「薄く」するという方法によって、ものが本来持っている骨格のようなものだけで成り立つようなものができないだろうか、と。
さまざまな要素が生活品のなかには含まれています。手触りや使う人のこと。技術や経済的制約のこと。そして素材を吟味し工夫すること。また暮らしのことを考えたり、社会が無意識に求めていることをも見通したりするのも大事なことです。作ることはそのひとつひとつに応えることですが、いろいろなことを考え合わせながら作ることによって、それが自分を小さく、薄くしてくれることに手を貸してくれるのでした。生活品には多くの制約があります。それに忠実に従うことにより、自分はいつの間にか作品の中心人物ではなくなり、単に作品を作るさまざまな要素のひとつにまで、小さくなることができるのです。 少しだけ自己から解放される。これも気持ちのいいことです。
そうして僕たちは生活に根ざした「普通のもの」を作ることで、たくさんの人々の暮らしと関わることができるのです。

「三谷龍二の木の器」(2008年アトリエ・ヴィ刊)より




作家在店日:4月19日(土)

*一部の作品は抽選販売となります。詳細は会期中に店頭にてご確認下さいませ。
*多くのお客様に楽しんでいただけますよう、購入制限を設けさせていただきます。
*4月19日(土)、20日(日)13:30までのご入店は予約制となります。詳細はミナペルホネンのホームページをご覧ください。

- koota matka
岩手県盛岡市紺屋町4-5
お問い合わせ:019-601-8637




3月29日(土)→ 4月6日(日)
「三谷龍二 木工展示会」
小慢(台北)
日本著名的生活工芸木工作家三谷龍二先生即將於三月在台北小慢舉辧個展。

8年前華山舉辦的13位日本生活器物展,前二年的台中由鉅展,及數次在台北小慢的個展,已擁有許多的愛用者粉絲了!
相信買回家的朋友們已把木作深植在自己的生活中,因為「它」,平靜、質樸,富有美感的生活油然而生。

「生活工芸」是在日本1990年泡沫經濟後興起。那時的日本交替時期剛好是我求學階段。從每人手持名牌包包衣服,外食,反思是否該過一種更質樸的生活,於是回歸家庭,喜歡在家吃飯煮飯,使用器物的比例升高,因此掀起生活工芸的浪潮,直到現在。

三谷先生
我們認識多年,也造訪他位於松本,遠眺群山,蘋果園旁的一棟木造房內。還有一隻可愛的小狗陪伴。
每日早上,他的太太順子會準備豐富美味的早餐。曾經在東京,京都小慢習茶多年的她也泡了一手好茶。三谷先生則在一旁欣賞順子小姐泡茶的儀軌。三谷先生則喜愛在早餐後手沖咖啡,這些茶道具,咖啡等器物皆來自他的手作。溫暖而質樸優雅。

這次在台北小慢的個展 除了生活器物之外 也有他近年來的雕塑,繪畫作品! 也邀請他本人親自事茶,咖啡 -起與他相約 他的「日日好日」。

小慢 HPより



展期:3/29 (六) - 4/6 (日)
時間:13:00 - 18:00
地點:小慢

展覽首日需予約,開放時間為17:00 - 19:00
- 歡迎點擊連結報名

【開幕活動 三谷龍二 日々生活「茶とコーヒー茶話会」】
本次特別邀請木工作家三谷龍二親自擔任茶主人,搭配wen experience季節甜點。
日期:3/29 (六)
時間:13:00 - 14:30、15:30 - 17:00
地點:台北小慢
費用:NT 2,000 / 位

- 歡迎點擊連結報名




1月11日(土)→ 19日(日) ※火・水曜 定休
「case」
CORNER(京都)
いつまでも残しておきたい手紙を、大切に仕舞っておく文箱のようなものが欲しいと思った。 好きな豆大福がきれいに並ぶ、蓋付きの菓子箱が欲しいと思った。 毎朝淹れるコーヒー用に、ペーパーフィルターを収める箱があったらいいと思った。 器は、一器多用で、いろいろに使えた方がいいと思うのだけれど、 一方で、仕舞うものにぴったり合わせた収納道具には、 誂え服のような、特別の気持ちよさがあるものだ。 昔からうるさくいわれた「寸法」の意味は、このことなのだと思う。 綿棒、バター、小枝という名の好きなお菓子、名刺、などなど。 なかに入るものに寸法を合わせ、機能を特化した数々のcaseを作りました。

三谷 龍二



【作家在廊日】1月11日(土) ※抽選による完全予約制

一部の作品は、抽選販売となります。詳細は会期中に店頭にてご確認ください。

- 詳細・ご予約はこちらをご覧ください

- CORNER
〒604-0912
京都府京都市中京区樋之口町465-2










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